構成機器概要(AIoT)

1.ネットワーキング

ネットワーキングとは、サーバーなどのコンピュータや端末機器を相互に接続し、データや機能を共有する仕組みを言います。広くはインターネットを介して広域に接続するネットワーク、施設や家庭内など限定した地域内に限定するローカルなネットワークなど多様な形態があります。さらにそれらを実現する通信技術も多種多様にあります。

Indoor AI Farmingでは、インドアの外部とはインターネットを介してAI Station が繋がり、そのAI Station が429MHzの特定小電力無線(RF429と略称します)の親局となり、そのRF429の無線ネットワークにインドアコネクタ(Indoor Connector)と呼ぶ子機が繋がります。無線なので、インドアの施設内のどこにでもAC電源があれば子機を置くことができます。

この子機Indoor Connectorにセンサーや制御装置を有線で接続します。センサーや制御装置とはそれぞれ固有の通信方式でオンラインリアルタイムでデータの送受を行います。一般には無線のWi-FiやBluetoothで通信するセンサーがありますが、これらの装置には常に給電・充電をする必要があります。

AI Station は、Indoor AI Farmingシステムの中枢ですが、装置はシンプルで、コンピュータ本体とRF429 無線モジュールから構成されています。

コンピュータ本体はNVIDIA® 社のCPU/GPUモジュールJetsonを採用し、インドア内のすべての機能をこの一つで実現しています。

IT分野での「エッジ」とは、クラウド(データセンター)から離れた所にある、IoT機器、スマホ、センサーなど「ネットワークの物理的な端(エッジ)」でデータ処理を行うことですが、Indoor AI FarmingではこのAI Station がエッジの装置になります。

基本仕様:電源AC100V、消費電力約14.3W(指令待ちの時)、筐体 横25㎝(風防6㎝)、高さ35㎝(足があるとき12㎝)、奥行15㎝、冷却方式:空冷、防水構造ではありません。

429MHz帯無線には、通信距離が長い、障害物に強い、水分に強いなどの特徴があります。

通信距離が長い:Bluetooth、ZigBee、Wi-Fiなどは通信距離が10m~100m程度であるのに対し429MHz帯無線は数kmに及ぶことができ、地下室やマンホールの中からも通信できます。

障害物に強い:Bluetooth、ZigBee、Wi-FiやLPWAは電波の直進性が強く、障害物により通信が遮断される場合も多いです。429MHz帯無線は障害物を回り込む性質があり、人体、車、動物などにより遮断されることが少ないです。

水分に強い:日本では920MHz帯無線や2.4GHz帯無線のBluetooth、ZigBee、Wi-FiやLPWAがよく使用されています。しかしこれらの電波は水に吸収されるため、雨や結露に弱く、動植物や地面にも吸収されます。これに対して429MHz帯無線は水に吸収されず、水深1m程度ならば水中からの通信も可能です。。

一方、波長が約700mmと長いためアンテナが長く、小型化が難しい、使用できる帯域が狭く電波法の規制が厳しい課題があります。

このRF429の無線モジュールの開発元、のぞみ株式会社では先端素材のアンテナを開発し、無線モジュールは全て「電波法に基づく技術基準適合証明」あるいは「工事設計の認証」を受けており、使用者は資格や免許などを必要とせず、公的な通信費用もかかりません。

AI Station とIndoor ConnectorはRF420で接続されます。AI Station に在るゲートウェイ機能が、Indoor Connectorを一定の時間間隔で呼び出しセンサーからのデータを読み取り、AI Station のデータベース(DB)に記録します。

AI Station にあるAIスケジューラと呼ぶIndoor Connectorの制御機能からの指令で、装置を指定して動作指令を送り出します。

この通信手順は、ポーリング・アドレッシング(Polling&Addressing)方式と呼ばれますが、自社開発のプロプライエタリ手順です。

Indoor Connector A: インドア全体の環境観測制御機です。THCセンサー、空調(HVAC)制御機、二酸化炭素ボンベ制御機を各1台、養液管理機を2台接続できます。

Indoor Connector B: インドアに設置されているLED制御用です。LED制御機を最大5チャンネル接続できます。

Indoor Connector C: インドアで培地を用いた灌水制御を行う時、インドアの外部環境の観測を行う時使用します。簡易気象センサー、培地センサーを各1台、電磁弁を最大6台接続できます。

基本仕様:電源AC100V、消費電力約1.3W、筐体 横28㎝、高さ38㎝、奥行13㎝、防水保護 IP65

RS485(Recommended Standrad)は、EIA(米国電子工業会)が定めたシリアル通信の規格で、ノイズに強く長距離(最大1.2km)で1対nのマルチドロップ接続(最大32台以上)が可能な平衡伝送方式のインタフェースです。通信速度よりも、信頼性と長い配線距離が求められる環境に適した技術です。

RS485の規格では、通信手順は定めていないので利用者が規定することができますが、業界では多くの場合、Modicon Inc.(AEG Schneider Automation International S.A.S.)が PLC 用に開発した通信プロトコルModbusと合わせて利用されています。

Indoor AI Farmingで採用しているRS485接続の機器は、全てがModbusプロトコルに準拠しています。

2.モニタリング

「モニタリング」(monitoring)とは、インドアファーニングの対象(施設、設備、作物、作業員など)を継続して観察・監視し、それをデータとして記録することです。「データ」とは、何かを符号、数値、文字、画像などのまとまりとして表現したものです。

Indoor AI Farmingでは、このモニタリングをセンサーによるセンサーモニタリング、カメラによるビジョンモニタリング、QRコードやマニュアルによるレコーディングによってデータをシステムに取り入れます。

センサー

センサー(Sensor)とは、温度、光、距離、物質の状態などの物理量や化学量を観測し、それを電圧などの電気信号に変換する装置のことです。

Indoor AI Farmingシステムでは、①インドア内の温度、湿度、二酸化炭素濃度を観測するセンサー(THCセンサー)、②水耕棚を循環する養液の電気伝導率(EC)、水素イオン指数(pH)、水温を観測する養液センサー、③養液中に存在する酸素の濃度(DO)を測る溶在酸素計、④LEDからの光子量を測定する光量子計を使用しています。

NDIR(非分散型赤外線吸収方式)のセンサー(ユメックスソリューションズ株式会社製)を使用しています。Indoor Connector Aとは、有線のRS-485 で接続され、Modbus-RTU通信方式で通信しています。

計測範囲:温度:-10.0~60.0℃ 、湿度:10.0~95.0%RH、CO2:0~5000ppm 温度:-10.0~60.0℃ 湿度:10.0~95.0%RH

水耕栽培において養液の栄養状態(肥料の成分状態)を分析する技術は、①センサーで養液のEC(肥料濃度)とpH(酸性度)を観測する、②養液を採取して分析センターへ送り、NPKなどの無機質成分分析をおこなうのが一般的です。さらにこの成分分析を③リアルタイムで行う機器も開発されています。

Agri Smartでは、①養液管理機を介して測定、②専門の提携パートナーである株式会社東海テクノに委託、③海外の最新装置の評価を行っています。

Indoor AI Farmingシステムでは、このEC、pHの測定は、標準で使用している養液管理機(株式会社セムコーポレーション社製)を介して測定します。Indoor Connector Aとは、有線のRS-485 で接続され、Modbus-RTU通信方式で通信しています。

計測範囲:EC 0~20.00ms/cm、pH 0~14.00、温度 0~50.0℃

DO(溶存酸素:Dissolved Oxygen)は、水1リットル中に含まれる酸素の重量(mg/L)です。植物の水耕栽培では、5㎎/L以上の酸素が必要と言われ、作物によっては8~10㎎/Lを必要とするものもあります。

Indoor AI Farmingシステムでは、適切なオンラインリアルタイムでの計測装置がないので、可搬型測定器で適宜測定し、マニュアルでデータベースに記録します。

計測範囲:溶在酸素 0.0㎎~20.0mg/L、飽和酸素濃度 0.0%~199.9%

光量子計は、植物の光合成に必要な光の粒子(Photon)の量、光量子束密度(PAR、PPFD)の 計測する装置です。植物の成長に必要な光エネルギーをμmol毎平方メートル毎秒単位で正確に測定できますが、安価ではないので利用には考慮が必要です。

Indoor AI Farmingシステムでは、LI-190R(LI-COR社、米国)光量子センサーを使用しています。Indoor Connector B に接続してリアルタイムで定点を計測する形態と人手を介して複数の地点を測定しマニュアルで記録する形態で利用できます。

計測範囲:400~ 700nm、感度1,000μmol/㎡で5-10μA

リアルタイムの分析は、イオンセンサーを用いた装置を評価中です。

オフラインでの分析は、養液サンプル(100㏄)を検査機関に送り、分析レポートを受け取りそれをシステムに登録する方法です。アグリスマート社はこの分析検査は、株式会社東海テクノに委託しています。

インドアの施設内を自動走行し水耕棚の作物を観測するAIカメラを開発中です。

センサーやカメラで観測できないファーミング作業は、スマホやパソコンで人が記録します。この作業をできるだけ簡素化、自動化するように開発中です。

Indoor AI Farmingの「営農管理」には、作業を施設内に貼ったQRコードを読み取る、ダッシュボードのアイコンを選択するなどで、簡素化を図っています。

3.制御装置

Indoor Farmingは、環境制御型農業CEA(Controll Environment Agriculture)とも呼ばれますが、制御できる主な環境要素は施設内の空気(温度、湿度、二酸化炭素濃度)、光、水、栄養、衛生管理です。

Indoor AI Farmingシステムでは、AI Station にあるAIスケジューラと呼ぶIndoor Connectorの制御機能からの指令で、空調装置、二酸化炭素調整器、LED制御装置、養液管理機を指定してそれぞれの動作指令を送り出し、環境を制御しています。

空調機器はDAIKIN社の業務用空調機器の操作パネルをアダプター(Intesis社、Sweden)を介して制御しています。Indoor Connectorとアダプターとの接続方式はRS485(Modbus-RT)方式です。

二酸化炭素の濃度は、THCセンサーで観測しています。一方、CO2の供給は指定された濃度にボンベのガス調整器に取り付けた電磁弁の開閉制御で行います。

養液管理機は、「らくらく肥料管理機4」(株式会社セムコーポレーション製)をRS485(Modebu/RT)で接続して、ECとpHを制御しています。

Indoor AI Farmingシステムでは、2026年3月リリースVesrion1.0では、2つのLEDをサポートしています。

Skylark(Sananbio社、China) 25W、80μmol/s、AC100-277V

Phoenix(Sananbio社、China)4チャンネル、100W~750W、

このLEDは、RS485(Modebu/RT)でIndoor Connector Bに接続しています。4つのチャンネル毎に調光レベルを予めスケジューラに設定する、あるいはダッシュボードから直接制御することができます。

<ホームへ戻る>